空間再現スクリーン活用

空間再現スクリーンとは、3Dモデルを空間的に再現できるスク
リーンのことで、今後の展示会やプレゼンにおいて「立体感のあ
る映像体験」を提供する選択肢とし期待される技術です。
この技術をベースとした事例としては、ノートパソコンの裸眼立
体ディスプレイ、街頭ビジョンの大型3Dスクリーンなどがあり
ます。

これまでの3D映像の主流は、「立体映像=両眼視差」でしたが、
最近になり、「フェイストラッキング技術、3Dモデリング技術」
の進化で、「運動視差」を活用した表現が可能となり、裸眼でも
3D体験できるディスプレイが、発表されるようになりました。
また、裸眼3Dディスプレイと3D眼鏡(アナグリフ方式など)
を併用し、大画面でも「両眼視差+運動視差」で映像体験できる
新コンセプトの展示会も開催され始めています。

このような「立体感のある映像体験」が話題となる要因としては、
最近話題の「メタバース」の影響もありますが、それ以外に「高
精細で現実と見分けのつかないレベルの作品」が増えた影響も大
きいと感じています。
この表現力の進化は、PCスペック(CPU、GPUなど)、3
Dレンダリング(空、光、影、水、反射など)、3Dモデリング
(3D制作ツール、フォトグラメトリなど)の機能面や性能面の
急速な技術発展により実現しています。
その結果として、高度なコンテンツ制作が実現し、「立体感のあ
る映像体験」に注目が集まり始めました。
最近までは、「3D⇒HMD」の感じでしたが、「HMD酔い」
の課題が解決されない状況もあり、別の選択肢として「空間再現
スクリーン」などの製品発表が増えていると考えています。

今後、さらに「高精細で現実と見分けのつかないレベルの作品」
が増えれば、これらの展示会やプレゼンの需要が後押しとなり、
「HMD」「空間再現スクリーン」の活用の場が増えていくと感
じています。

「空間再現スクリーン活用」では、この再注目を後押しする目的
で、「数年後を想定した3D活用の環境サポート」を企画し、そ
の実現に必要な「3Dモデル体験ツール」を提案します。

「3Dモデル体験ツール」の仕様は、以下の通りです。
目的:「3Dモデル活用の環境サポート」
提案:「3Dモデルを立体表現するため、リアルタイムに視点連
    携、レンダリング制御を行う、映像体験ツールの提案」
効果:3Dモデルを立体表現した展示会やプレゼンを行うため、
   次の空間再現スクリーンを活用できます。
   ①3DMスクリーン(1面の空間再現スクリーン)
    画面配置:1画面のみ
    視点制御:フェイストラッキング
    映像効果:フェイス位置に合わせた運動視差の映像表示
   ②GEアトラクション(HMDの空間再現スクリーン)
    画面配置:HMD
    視点制御:HMDモーション、フェイストラッキング
    映像効果:HMDによる両眼視差+運動視差の映像表示

「3Dモデル体験ツール」は、以下の点も重視しています。
・ブラウザと実行ファイルによる容易な環境準備(容易な準備)
・3Dゲームエンジンなどのビューワー連携機能(迅速な実現)
・現状の課題回避を意識したツール機能の提案(柔軟な活用)

この「3Dモデル体験ツール」の活用方法は、「3Dモデル作品」
「フォトグラメトリ作品」による「展示会、プレゼンなど」のイ
ベント開催で、立体の映像体験を提供するため、活用できると考
えています。

この活用方法を考えた経緯は、以下の通りです。

現状の先進技術を活用した3Dディスプレイは、まだ高額なもの
が多いため、3Dディスプレイの紹介以外でイベント活用するこ
とは時期尚早な状況です。
また、後々のライセンス契約などを考えると、安易に企画を推進
できない状況になる可能性もあります。

しかし、3Dモデルのイベント需要は今後増すと予測されるため、
先端技術の3Dディスプレイが、一般普及して低価格になるまで
待つことも最良の選択とは言えない状況です。

この現状を改善するには、「多くの人にコンテンツを見てもらう」
「多くの人にコンテンツを体験してもらう」ことを優先目的とし、
「コンテンツ制作をサポートする環境づくり」が、今後の普及に
必要なアプローチだと考えました。

「空間再現スクリーン」では、その実現のため、展示会やプレゼン
などを想定した機能検討から、次の2スクリーンを提案することに
しました。
・3DMシングル(1面の空間再現スクリーン)
・GEアトラクション(HMDの空間再現スクリーン)
これらは、「3Dモデリングソフトや3Dゲームエンジン」を活
用した「コンテンツ制作」や「ライブ表示」により、「高精細で
現実と見分けのつかないレベルの3Dモデル作品」を効率良く活
用できる環境整備が実現できると考えています。

この機能とアプローチの関係は、以下のようになります。
・「多くに人にコンテンツを見てもらう」
・「多くの人にコンテンツを体験してもらう」
  ⇒3DMスクリーン(1面の空間再現スクリーン)
   GEアトラクション(HMDの空間再現スクリーン)
・「コンテンツ制作をサポートする環境づくり」
  ⇒パラメータ連携、HDMIキャプチャ入力

この「想像の環境づくり」が、「新しいコンテンツ制作」につな
がり、「3Dモデルの活用と普及」に役立つと考えています。

今後、「3Dモデル体験ツール」に期待することは、3Dモデル
の活用や普及に必要な「コンテンツ紹介、VR体験」のイベント
サポートであり、3Dモデルに興味を持つ人を増やすことで、3
Dモデルの活用を考える契機となることです。
そして、「3Dモデル体験ツール」の体験から得た情報(知識、
経験、想像)が、新たな「3Dモデル活用」の創造の糧とし、貢
献することを望んでおります。


投稿者: raf-plan