地域技術共有の構想案

全体像
 今後の地域社会は、「全国規模の社会変化」「地域規模の生活維持」の
 対策を行う必要があると考えています。
 
 「全国規模の社会変化」とは、「ECサイトによる商品購入」「全国規
 模のチェーン店」など、どこでも全国レベルのサービス提供が実現した
 ことです。
 そのため、地域の区別がなくなり、地方の地域企業でも、全国レベルの
 サービス提供を求められる状況ができました。
 地方の場合、全国レベルの体制を持つ企業なら問題ないですが、ほとん
 どの企業は、地域をターゲットとしているため、顧客を限定している場
 合を除いては、全国レベルを意識した対策を行う必要があると考えてい
 ます。
 この対策とは、「SNSの苦情リスク」「スキルの技術リスク」など、
 大小様々なリスクを意識した「事前準備」「事前対策」を行うことです。

 「地域規模の生活維持」とは、「地域で生活インフラを維持」する対応
 のことです。
 なぜ対策が必要と感じるかもしれませんが、全国的に「老朽化を把握す
 る点検の遅れ」があり、国では「コスト的に長寿命化」を検討するなど、
 今後の状況次第で、地方でも影響を実感する状況になると考えています。
 現在、「点検の効率化」を民間協力で研究していますが、専門スキルの
 必要な手法であり、地方では「機材、人材、技術、費用」のどれかで問
 題となり「利用できない」と感じています。
 このような現状を考慮すると、国や大都市とは違う「地域規模の生活維
 持」の対策が必要になると考えています。

 ここでは、以上の状況を踏まえた上で、更に「技術」に限定し、地域の
 現状を意識した対策の構想案を考えてみました。

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 地域メンテナンスに限定した「企業間を意識させない情報共有」の環境
 構築を実現し、メンテナンス作業の「事前準備」をサポートすることで、
 各企業の「人材育成」を支援する。
 更に、その情報共有を活用した「現地確認の点検技術」の研究を進め、
 「点検と手順の統一化」を推進する。
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 主な条件は、次の通りです。
 ①方針:地域技術共有の実現
 ②目標:地域技術共有の環境構築
 ③対象:地域メンテナンス(道路、水道)
 ④規模:自治体、大学、企業
 ⑤条件:
  ・地域技術共有のシステム活用できる自治体
  ・地域技術共有のシステム構築できる大学
  ・現地確認の技術研究できる大学
  ・技術共有の協力体制を構築できる企業
  ・人材育成の協力体制を構築できる企業
  ・現場確認の協力体制を構築できる企業

 重視ポイントは、次の通りです。
  ・技術情報管理のサーバー構築
  ・点検、手順の共有と統一化(動画重視)
  ・地域メンテナンスの人材育成と環境構築
  ・企業間を意識しない技術共有
  ・点検技術の研究(作業効率重視)


 この実現には、「想像の環境づくり」が重要になると考えています。

 「想像の環境づくり」とは、「人材育成」「環境構築」と考えており、
 地域技術共有の実現に必要な様々な分野の人材が、「情報共有」を活
 用した「グループ創造」を実現するため、協力できる環境づくりだと
 考えています。
 そして、その実現に「あるべき姿と今あるべき姿の基本方針」が役立
 つと考えています。

 なお、この構想案は、本当の現場を知らない「個人の想定イメージ」
 から考えたアプローチで、多々事実と異なる点があるかもしれません。
 ただ、このようなアプローチもあると認識することで、新たな最適化
 の参考に活用していただけば良いと考えています。

 これからのオープンシステム社会で大切なことは、このような提案を
 「想像の環境づくり」から、実現していくことだと感じています。

目的と条件
 ①方針:地域技術共有の実現
  ・将来的な自治体と大学による技術情報管理(書類、写真、動画、3Dモデル)
  ・将来的な自治体と大学によるメンテナンス手順の統一化
  ・将来的な自治体と大学によるメンテナンス点検の統一化
  ・将来的な地域メンテナンスの人材育成と環境構築

 ②目標:地域技術共有の環境構築
  ・自治体と大学による技術情報管理のサーバー構築
  ・自治体と大学によるメンテナンス手順のデータ化(サーバー入力)
  ・自治体と企業によるメンテナンス手順のデータ化(資料作成)
  ・地域メンテナンスの人材育成と環境構築
  ・地域メンテナンスの点検技術の開発(3Dモデル差分チェック)
  ・企業間を意識させない人材育成によるコスト削減
  ・企業間を意識させない環境構築による技術共有

 ③目的:実証実験(目標達成への施策と効果を検証する)
  ・自治体と大学による技術情報管理のサーバー構築
  ・自治体と大学によるメンテナンス手順の検証データ化(サーバー入力)
  ・自治体と企業によるメンテナンス手順の検証データ化(資料作成)
  ・地域メンテナンスの人材育成と環境構築の効果検証(サーバー活用)
  ・地域メンテナンスの点検技術の効果検証(3Dモデル差分チェック)

将来構想(将来的な方針や意識など)
 ①自治体と大学による技術情報管理(書類、写真、動画、3Dモデル)
 ②自治体と大学によるメンテナンス手順の統一化
 ③自治体と大学によるメンテナンス点検の統一化
 ④地域メンテナンスの人材育成と環境構築
 ⑤大学によるメンテナンス情報を活用した共同研究
  (現場の写真、動画、3Dモデルを活用した共同研究)

実証実験の手順
 ①実証実験のシステム検討(自治体、大学)
  (⇒コンセプチュアル思考&コミュニケーション環境)
 ②実証実験のプロトタイプ構築(自治体、大学、企業)
  (⇒コンセプチュアル思考&フィードフォワード改善)
 ③実証実験の環境構築(自治体、大学、企業)

 ④実証実験の環境確認テスト(自治体、大学、企業)

 ⑤実証実験の環境改善(自治体、大学、企業)
  (⇒コンセプチュアル思考&フィードフォワード改善)
 ⑥実証実験の検証テスト(自治体、大学、企業)

 ⑦実証実験の効果検証(自治体、大学)
  (⇒フィードフォワード改善)
 ⑧実証実験の情報共有(自治体、大学)
  (⇒コミュニケーション環境)
 ⑨実証実験のコスト削減検討(自治体、大学)
  (⇒コンセプチュアル思考&コミュニケーション環境)
 ⑩地域技術共有のシステム検討(自治体、大学)
  (⇒コンセプチュアル思考&コミュニケーション環境)
 ⑪地域技術共有の情報共有(自治体、大学、企業)
  (⇒コミュニケーション環境)

実証実験の検証案
 ①対象
   地域メンテナンス(道路、水道)
 ②規模
   自治体:数か所(同一都道府県)
   大学 :1か所(同一都道府県)
   企業 :各自治体の対象企業
 ③条件
   ・地域技術共有のシステム活用できる自治体
   ・地域技術共有のシステム構築できる大学
   ・現地確認の技術研究できる大学
   ・技術共有の協力体制を構築できる企業
   ・人材育成の協力体制を構築できる企業
   ・現場確認の協力体制を構築できる企業
   など


システム検討の提案

以降は、将来を仮定した上で、オープンシステム化を想像した提案です。
現状で、個人的に検討価値を感じたことを並べています。

 ①行政ネット認証パス(ログイン管理システムの統一化)
  ⇒ネット認証パスのサーバーを統一化する(政府、自治体)
   今回は、自治体が絡むため、認証利用が必要と考えました。

   ★将来的な解決提案:認証統一化に対応する、行政認証システム(認証の行政管理)
    ※全国統一化※

 ②技術情報管理システム(技術情報のサポート環境)
  ⇒ネット経由でメンテナンス情報を確認できるサーバーを構築する(大学)
   次のような情報検索が必要になると考えています。
   ・「メンテナンス手順&関連(PDF)」
   ・「メンテナンス材料&機材(PDF)」
   ・「メンテナンス手順&関連(写真)」
   ・「メンテナンス手順&関連(動画)」
   ・「メンテナンス手順&関連(3Dモデル)」
   ・「メンテナンス注意事項(PDF)」
   これらの情報を検索し、個人で事前準備できる環境構築が大切だと感じています。
   その実現には、写真や動画のイメージ資料は、重要性を増していくはずです。
   また、ノウハウの情報共有には、作業に紐づいた注意事項をデータベース化する必要も
   あると考えています。
   そして、将来的には、3D空間モデルによる作業前後の情報確認も必要になるはずです。
   管理を大学とした理由は、時代の変化に対応した人材育成が必要になるためです。

   ★将来的な解決提案:技術情報のサポート環境(メンテナンス手順の情報共有など)
    ※管理データの統一化※

 ③地域メンテナンスの新たな現地確認の技術開発(現地作業の効率化)
  ⇒現在、デジタルツインの活用が注目されています。
   デジタルツインとは、「物理空間を仮想空間に再現する」ことで、「デジタルの双子」
   による「視覚効果」を活用することです。
   再現方法は、「記録再現、即時再現、想定再現」があり、目的に合わせ「3Dモデル、
   Iot、AIの技術」を駆使し再現します。
   地域メンテナンスでは、「記録再現」が活用できると考えています。
   例えば、「写真や動画から3D空間モデリングする技術」の活用です。

   現在、3Dモデリングの精度は実用レベルに近く、課題は処理速度だと考えています。
   そして、その課題もハード面の進化により数年で解決できる可能性が見えてきました。
   「3D空間モデルの活用ツール」の開発には、丁度良い時期であると考えています。
   3D空間モデル化のメリットは、現地を仮想空間で体験できる点です。
   この点を活用すると、「3Dモデルの差分チェック」「現地確認のデスクワーク化」
   の実現が可能になります。
   この実現により、現地作業の「必要スキル、作業負荷、作業精度」を見直しすることで、
   「現地作業の効率化」「デスクワークによる作業分担」が可能になり、更には「リモー
   トワーク」も実現できると考えています。
   新たな現地確認の技術開発は、新たな仕事環境を創造すると考えています。

   ★将来的な解決提案:3D空間モデルの活用で、チェックや計画作業の効率化
             (現地作業効率化、チェックや計画のデスクワーク化など)
    ※スキル依存の作業効率化※

投稿者: raf-plan